マイナー(採掘)
ビットコインの急激な価格下落に伴って、ビットコインのマイナーが採掘をやめる、やめたというニュースをよく目にします。どれぐらいビットコイン・ネットワークに影響を与えているか確認してみましょう。
【ハッシュレート】
ビットコイン・ネットワークを支える演算能力ハッシュレートですが、2018年 11月 28日現在ピーク時の 3割ほど減っています。
【マイナーの収益面】
ビットコイン・マイニングの損益分岐点を計算すると、現状 $6,300ドルほど。しかし、過去 1年間の収益と S15(Bitmain社製の Newマイニングマシーン)を考えると現在の損失はそれほど大きいものではないと。現に 1年ではなく 2年で損益分岐と考えると 損益分岐点は 約 $2,800。
また現状のマイニングシェアは、 Bitmain社率いる BTC.com と AntPool で 3割ほど。仮に最新機種の S15 が原価 $700(定価の半値) とすると、 ビットコイン価格 $4,200 で利回り 100%です。
ハッシュレート(PH/s) | 機種 | 年間報酬(BTC) | 損益分岐点 |
---|---|---|---|
42792.9 | S9 | 0.19275 | $6,376 |
42792.9 | S15 | 0.39979 | $6,177 |
427929.4 | S15 (定価の半分だったら) |
0.39979 | $4,239 |
* ハッシュレートは 2018.11.28時点
現状ビットコインのマイニングマシーン 75% *は、 BitMain社製。新製品を 11/8 にリリースしたタイミングで価格下落、マイナーの収益圧迫を引き起こし、自社機器の入れ変えを促す狙いも?とも推測してしまいます。
【Bitmain社の最新機器を用いると現在のビットコイン価格でも大丈夫】
画像引用: ASIC Miner Value
小まとめ
ビットコイン・ネットワークの健全性、マイニング ビットコイン・ネットワークの演算速度はピーク時に比べれば落ちているものの、それでも 1年前の 2倍強です。また安全面や送金手数料、送金遅延などについては新技術の「Bitcoin Schnorr signatures」 が控えていますね。『ビットコイン、もうだめだ』は時期早々と思います、大丈夫でしょう。
政府
過去幾度となくビットコイン価格は各国政府の規制によって下落してきました。今回の下落に政府の規制が関与しているとは考えにくいですが、
- 中国はビットコイン嫌い
- アメリカはビットコインより Ripple?
- 香港、シンガポール、日本はビットコイン好き
といった感じではないでしょうか。
トランプ政権は 2021年 1月 20日まで、中国は当面 習さん、また価格上昇や目立った技術リリースがあった時に規制が入るかも。
小まとめ 政府
現状は政府による価格上下の影響は少ないでしょう。
開発面
2017年ビットコイン価格が 5倍以上になった理由の一つに 「分岐」 があるでしょう。ビットコインを持っているだけで同量の 「ビットコインキャッシュ」がもらえるというイベント。現状「分岐」 なみにインパクトのある技術リリースはなさそうですが、主だって以下の開発が注目されています。
# Schnorr signatures
ビットコインの取引確認(トランザクション)の方法を ECDSA から Schnorr signatures に変えようというもの。この変更が実施されれば、
- スパム耐性の向上
- ブロックサイズの低下
- 匿名性の向上
に期待。 SegWit なみの変更と言われ、注目されていますね。
# MAST
こちらはスマートコントラクトに関する新技術。ビットコインをいつ・どのように使用するか制御可能に。
# Bulletproofs
匿名性の向上。
# サイドチェーンのLiquid Network
# サイドチェーンのRSK
どちらもスマートコントラクトの発展に。
小まとめ
ビットコイン価格の低迷にも関わらず、開発サイドは以前活発です。進化と共に価格上昇するかもですね。
需要
2013年はじめて 1ビットコイン 10万円を突破した頃、以下の理由でビットコインに需要がありましたね。
- 送金手数料が安い
- 送金規制がない
- 法定通貨よりも信頼できる
- どうせ預金しても低金利だし
- ダークマーケット
- 投資(キャピタルゲイン)
中でも 「法定通貨よりも信頼できる」 という部分の価格インパクトは大きかったように思います。
- 2013年のギリシャ金融不安によるビットコイン人気
- 2016年11月のインド高額紙幣中止によるビットコイン人気
- 2016年ベネズエラのハイパーインフレによるビットコイン逃避
ベネズエラは以前厳しい状況が続くものの、「送金手数料」や「送金規制」は 5年前に比べると緩和された様に思います。
また金利もドルやポンドのように金利上昇している国も。ダークマーケットは、トランプさんも中止し閉鎖傾向に。投資については、国内はマネロン規制、金融庁規制で新規口座も開きにくく、資金流縫うしにくい状況。
小まとめ
5年前に比べるとビットコインの需要は減ったように思います。また Ripple や Ethereum などビットコインに変わる通貨もメジャーになってきましたね。特別ビットコインである必要が減ってきたように思います。つまり「需要は下がる」と思います。
まとめ
ビットコイン・ネットワークは安定するものの、各国の規制強化によって新規ユーザーの参入は難しく、 2017年のような価格上昇は難しいと判断。 2019年は、 BitMainが IPO を計画するなど仮想通貨企業の社会進出が進み、再度ビットコインの必要性が認識されるかも。
また USDT(Tether) や USDC(Circle) などの 法定通貨を裏付けとした仮想通貨(Stablecoins)が、段々当たり前になってきているように思います。新しい銀行の形のようにも見え、 ICO とは違った新たな資金調達として注目され、ビットコインも・・・・となるかもしれませんね。 2019年は GMO が円を裏付けした GJY(GMO Japanese Yen)をリリース予定。
以上から大幅な上昇は期待できないものの、デフレ設計であるビットコインの価値は徐々に上昇し、 $4,000 〜 $8,000 で推移するかな、と思います。
また価格の一つの目安として、マイナーの損益分岐点も。現在は ハッシュレートが下がり、 difficulty が下がりで、価格も下がっていますが、その状況がいつまでも続くとは思えません。そんな時下記グラフの価格(黄色線)とビットコイン価格を照らし合わせ、乖離をチェックしてみるのもいいかもしれませんね。
20 〜 100 倍の ハイレバ で
ビットコインや Ripple をトレードしたいなら、
BitMex
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マイナーの損益分岐点
計算シートリンク(Google Sheet)
参考にしたページ(Medium)